隣人のひとり言

quasiworld.exblog.jp
ブログトップ
2007年 02月 16日

惑星のゴール inspired by 『終末のフール』(伊坂幸太郎)

a0025567_2352450.jpg


「『二月なのに暖かくていいね〜』なんて言ってたらしいよ、
俺らの曾祖父ちゃんたちの時代」

「げっ!なんてのんきな!」

「いや、だってさ、流れ星見て願い事してたってくらいだから」

「なにそれ? なんで流れ星に願い事すんの?意味わかんねぇ」

「珍しかったからでしょ〜、叶うんだってさ、願えば」

「はっ、流れ星が叶えられる願いなんて、せいぜい惑星破壊がいいとこだろ?」

「確かに」

「核ミサイルよりタチ悪ぃつ〜の」

「ゆるい時代だったんだろうね〜」

「危機感足りなすぎだっつ〜の、実際今みたいに流れ星が地球目指して降ってきてみ?
願い事してる場合じゃねぇだろ?」

「いや、きっと願うよ」

「なにを?」

「地球にぶつからないでください、って」

「ははっ、そこまでのんきかよっ」

「仕方ないだろうよ、できることが少なかったんだから」

「それは違うな、できることがじゃなくて、やらなきゃいけねぇことが、だろ」

「まあね、平和だったんだろ」

「それにしたって、ちっとは孫の孫の世代のことも考えろっつ〜の」

「でもね〜100年200年先のこと考えろっていってもね〜」

「ま、無理か。一年先すら危ういもんな」

「うん」

「だから俺らも案外こうしてのんびりしてられんだろうな」

「だね〜、決まってしまえば3年なんてやっぱり長いよ」

「あと3年しか、がいつの間にかあと3年も、になったもんな〜」

「危機感足りねえ〜つ〜の」

「ははは、違いねぇ」

「でもさ、最後の瞬間って実際どんな感じなんだろ?」

「うーん、宇宙のチリになる瞬間か・・世界がひとつになんじゃね?」

「ひとつに?なんで?」

「だってよ、地球のどこにいたって、昼だって夜だって、地球最後の瞬間は同時なわけだろ」

「うん、そうだねぇ」

「あっ! 考えてみたら、これって結構素敵じゃね?」

「素敵?? なにそれ、気持ち悪いな〜、女子じゃあるまいし」

「いやいや、考えてみろよ、地球最後の瞬間をよ、大切な人と寄り添って待つわけだよ」

「うん、きっとパニックなんかにはならないよね、その頃には」

「だろ? じっと待ってるか、好きなもん食って待ってるか、もしかしたら普通にその
辺散歩してるかも知れねえし、寝転がって空みてるかも知れねえ」

「うんうん」

「でよ、いよいよって時になったら、世界が初めてひとつになんだよ」

「ひとつになるの?」

「ああ、ひとつになってよ、そんで世界が声をそろえて一斉に言うんだよ」

「なんて?」



「サヨウナラ、ってさ」








*この文章は伊坂幸太郎さんの小説『終末のフール』を読んで
そこから僕が妄想して考えた会話で、本編とは一切関係はありません。


***********************************

KIRA
http://www.quasi-world.jp/
a0025567_23335860.jpg
[PR]

by quasi-world | 2007-02-16 23:03 |


<< そうなんだよなぁ〜、そうなんだよ      チルドレン >>