隣人のひとり言

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2004年 07月 17日

7/17 読み進めるのがもったいない

a0025567_23214.jpg本当におもしろい小説というのは、得てして「読み終わりたくない」ものだと思う。
1ページずつめくる手がしだいに重くなり、左手の指先から徐々に厚さが薄れていくと、なんだが焦燥のようなへこむような変な気持ちにさせられるものである。

今読んでいる『GOTH』 (乙一)という小説がそれにあたる。
こんな小説、こんな気分にさせられる小説は久しぶりだ。
短編集なので、ある程度パターンが予測できるはずなのに、それでも毎回「今回の話には流石にオチはないでしょ〜。このまま普通に終わりでしょう?」と思う気持ちをすこーんと裏切ってくれる。気持ちいい。

主人公の男の子ともうひとりの主要人物である女の子との会話のやりとりもとてもおもしろい。
やはり現実にありえない感じがいいんだろうか?
きっとそうだろう。
とてもブラックで、残酷で、異常で、虚しくて、現実的で、賢くて、寂しくて、でも一人が楽で、なんかそういう現実では同時にはきっとありえないことが全てつまってる感じがいい。
極端に非現実的ってわけじゃあない。
なぜならひとつひとつの要素は間違いなく世の中に存在しているし、自分にも心のどっかに一度は持った事あるような感情だからだ。

そういえば昔、東野圭吾の「片思い」という本を読んだとき、「うーん、おもしろいと言えばおもしろいんだけど、ちょっと身近になさすぎる感情、題材、問題だけに、いや〜、なんとも・・・」という感想を覚えた。
そういうのだとどこか、最初から最後まで客観的にしか物語を読めなくて、読んだ後にそれが心に残り続けるということはまずない。

やはり僕は心に残る物語、言葉を求めている。
それが例えば「傷」という形であったとしても・・・
そんなインパクトのある小説、映画、そして現実を求めています

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by quasi-world | 2004-07-17 23:03 |


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