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隣人のひとり言

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2004年 08月 25日

8/25 名誉挽回


なんとな〜く、前回のブログでカントの地位を下げてしまった気がするので、
今回はカントがどれくらいすごい人物なのかをお話したい。

いや、っていうか本当にすごいですよカントは。
簡単に言うと、カントはニンゲンには前提条件があって
どんな物事も「時間」と「空間」のなかに現れるととらえる、
ということを言ったニンゲンだ。

例えば、僕らには明日自分に何が起こるかまったくわからないけど、
どんな事が起こるとしても、それは必ず「時間」と「空間」の中で起こる、
この二つの条件をはずすことはできない。そう言ったのである。

つまり、人間は決してはずせない色付きのサングラスをかけて
世界を見ているようなもの。
赤いサングラスをかけると、世界はどれも真っ赤に見えて、
その物質本来の色は見えない。いや、本来の色が赤ではないと意識
もできないわけですよ。赤という色すら「色」としては認識できないでしょう
ただ眼に映るものをそのまま真実として見てしまう

しかもカントはそれは世界の特性ではなく、僕たちの意識の特性なんだ
と言っている。
つまりですよ、世界は僕らが見て、知って、感じてるような世界では
本当はないかも知れない、という事ですよ。
僕らの意識が世界の限界を決めているようなもんです

それが真実かどうかを確かめる術はないですよ
少なくとも人間には無理ですね。
ただ、僕は、そういう可能性もある、と気がついたカントの発想力に
脱帽しました。
カント自身もそれを『コペルニクス的転回』と呼んでいます
それくらいすごい発見だったんですよね。

そう考えると人間というのはなんとも小さく、無力な存在だなあと
思います。
でも、僕にとってはそれが分かった事が逆にとても嬉しくて、
そういった意味でもカントが好きなんですよね。
人間の存在よりも大きなものが確実に存在すると分かるというのは、
なんだが希望が持てます。
人間が全てで、世界を君臨していたら、これ程ツマラナイもんはなかった
と思います。
万能ではないですから、争いが起きて、それを解決することすらできなかった
かも知れませんね。

物事の解決に不可欠な「時間」は、人間の意識するところにありますが、
支配が及ぶ範囲にはいない。
だから、それを上手く使い、その中で生かされ、期待することも
できるわけですよねえ。

そう、分からないものがあるから「期待」もできる、
これは人間関係においても結構大事な事です
時々、そのせいで大きく傷ついたり、深く悩んだりもしますが、
『時間』が流れれば、この『空間』で、また誰かを信じ、期待し、
そして愛せるのかも知れません


今はただ、そうであると願いたい


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by quasi-world | 2004-08-25 23:13 | 哲学


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